(4)糖尿病等の疾患 糖尿病等の疾患の発症や重症化を予防することは、死亡数を減らすためだけではなく、生活の質を保つために重要です。特に糖尿病は、全身に様々な合併症を引き起こします。合併症には、心筋梗塞、脳梗塞等の命に係わるものや、視力障害を引き起こす網膜症、人工透析が必要となり得る腎症など、生活への影響が大きいものがあります。また、がん、転倒、認知症などのリスクも高まります。自覚症状がないうちからの定期的な検査、診断後の継続受診、食事療法、運動療法及び薬物療法の継続が必要です。歯周病と糖尿病は相互に悪影響を及ぼすことから、口腔ケアも重要です。糖尿病を中心にした取組を行うことで、多くの生活習慣病の予防につなげます。 市民の行動目標:検査結果に応じた生活習慣の改善・早期受診・治療継続 現状・課題: ○各種健診・検診の啓発とともに、新型コロナウイルス感染症の重症化リスク因子とされたことも踏まえ、糖尿病、がん、循環器疾患、COPDといった生活習慣病(非感染性疾患)の発症予防と重症化予防に取り組む必要があります。 ○糖尿病等の発症・重症化予防のための生活習慣改善が必要な人に対する個人・集団アプローチや、市民全体に対しての啓発に、引き続き取り組む必要があります。 ○糖尿病含む生活習慣病についての誤ったイメージや認識(スティグマ)をなくすための、正しい知識と理解の普及も求められています。 目指す姿:糖尿病等の生活習慣病の発症・重症化予防が必要な人が、生活習慣の改善、治療の継続を行い、その発症・重症化を予防しています。 目標:糖尿病の検査項目「ヘモグロビンエーワンシー」の認知度を向上させます。 指標(直接成果):ヘモグロビンエーワンシーの名称とその意味を知っている人の割合 直近値:今後把握 目標値:検討中 目標:定期的に受診し、治療を継続している人を増やします。 指標(直接成果):糖尿病と診断された人の治療継続者の割合 直近値:67.4% (令和2年度) 目標値:75%以上 (令和14年度) 取組を推進する10の視点の中で特に取り入れるもの: ①将来を見据えた健康づくり ③ナッジやインセンティブの活用 ⑥誰も取り残さない健康支援 行政の取組 働き・子育て/稔りの世代への取組内容: ○糖尿病等の治療継続や重症化予防のための生活習慣改善が必要な人を対象とした個別及び集団アプローチの実施、医歯薬連携を含む医療・介護との連携を推進します。 ○糖尿病の正しい知識の普及、妊娠糖尿病や合併症予防を啓発します。 ○経済面等を含め、様々な状況にある人へ健康診査や医療機関受診の勧奨、健康相談を行います。 ○糖尿病等の慢性疾患を有する人が、安心・安全に身体活動を行うためのガイドライン等に基づいた普及啓発を行います。 関係機関・団体の取組 働き・子育て/稔りの世代への取組内容: ○働く人への治療と仕事の両立支援対策を推進します。 ○保険者が実施する健康づくり事業及び健康まつり事業等に対し、健康測定機器の貸出や保健師の派遣を行います。 ○報道や各種番組を通じて、糖尿病等の疾患に対する市民の関心を高め、必要な情報を拡散します。 ○糖尿病の合併症である、脳・心臓疾患等の健康起因事故防止に向けた注意喚起と健康教育等の支援を行います。 ○健診結果が要治療・要精密検査の未受診者へ受診を勧奨します。 ○特定保健指導の対象者へ事業所や健診機関を通じて利用を案内します。 ○健診結果から糖尿病性腎症重症化予防が必要と考えられる人へ保健指導を実施します。 ○保健指導に係る事業及び特定保健指導実施率向上への支援を目的として、保健師を派遣します。 ○健診(保健指導)、医療、介護の情報を個人単位で紐づけ、集計、分析するシステムの活用のため、研修会を開催します。