(6)休養・こころ 良質で十分な睡眠による休養は、心身の健康に不可欠です。こころの健康と睡眠との関連は知られていますが、高血圧、糖尿病などの生活習慣病の発症リスクの上昇や症状悪化に睡眠が関連することも明らかになっています。子どもの頃から睡眠を大切にし、規則正しい生活習慣を身に付けることは、成長・発達を促進し、将来の健康づくりにつながります。 また、ストレスに気付き、日常生活に大きな影響を与える前に対処をすることや、人と人とのつながりの中での自分の役割を大切にしていることも、心身の健康につながります。 市民の行動目標:①早寝・早起き、ぐっすり睡眠 現状・課題: ○1日の睡眠時間が6時間未満であることや、ぐっすり眠ることができる日が少ない小中学生がいます。 ○学習以外で平日にデジタルデバイス(パソコン・携帯電話・ゲーム機)を3時間以上利用している小中学生がいます。 ○睡眠が6時間未満の小学生の割合は、増加傾向にあります。第2期計画では、早寝・早起き・朝ごはん等の一連の物として啓発されていましたが、更なる取組が必要です。 ○親世代の生活リズムが不規則な場合、子どもの睡眠時間も影響を受ける可能性があるため、親世代を含めた睡眠や休養の重要性を啓発する必要があります。 目指す姿:必要な睡眠時間を確保し、ぐっすり眠ることができています。余暇時間のスクリーンタイムとのバランスを保ち、日光を浴びる・体を動かすなど、質の良い睡眠につながる生活習慣を身に付けています。 目標:睡眠時間が短い子どもを減らします。 指標(直接成果): ・1日の睡眠時間が6時間未満の小学生の割合 直近値:小学5年生男子6.9%、女子5.5%(令和4年度) 目標値:小学5年生男子5%以下、女子5%以下(令和14年度) 目標:ぐっすり眠ることができる日が多い子どもを増やします。 指標(直接成果): ・ぐっすり眠ることができる日が週6日以上の小学生の割合 直近値:小学5年生男子58.9%、女子59.1%(令和4年度) 目標値:小学5年生男子65%以上、女子65%以上(令和14年度) 取組を推進する10の視点の中で特に取り入れるもの: ①将来を見据えた健康づくり ⑤つながりで進める健康づくり ⑩前計画からの継続課題 行政の取組 育ち・学びの世代への取組内容: ○区役所等の健診、個別相談及び教室等を通じた、乳幼児期の保護者に対する、睡眠時間と睡眠の質を確保するための規則正しい生活習慣(食生活・運動を含む)の啓発を行います。 ○各学校の健康課題(運動、食事、休養、睡眠など)の解決に向けた取組に協力します。 ○働き・子育て世代へ睡眠に関する啓発を行う際に、子どもの睡眠等(デジタルデバイスの長時間利用による近視・視力低下の進行を含む)に関する情報も伝達します。 関係機関・団体の取組 育ち・学びの世代への取組内容 ○報道や各種番組を通じて、健康(休養・こころ)に対する市民の関心を高め、必要な情報を拡散します。 市民の行動目標:②睡眠の質を高める・ストレスに気付き、対処する 現状・課題: ○睡眠による休養が取れている人の割合は、平成25年度(2013年度)の男性20~59歳60.2%、女性20~59歳64.9%と比べ、令和2年度(2020年度)は男女共に約70%に増加しています。 ○他都市と比較すると、特に20~39歳男性の睡眠が課題となっています。 ○20~50歳代の日常生活の制限に影響を与える理由に「こころの病気」があります。 ○生活習慣病と睡眠の関係性を周知することに加え、事業所等を通じて、睡眠や休養の重要性を多くの人に理解していただくことが必要です。 目指す姿:睡眠の健康への影響を理解し、睡眠で休養が取れています。こころの不調に気付き、日常生活に大きな影響が出る前に対処しています。 目標:睡眠で休養が取れている人を増やします。 指標(直接成果): ・睡眠で休養が取れている人の割合 直近値:20~59歳男性70.3%、20~59歳女性70.2%、60歳代全体81.2%(令和2年度) 目標値:20~59歳男性75%以上、20~59歳女性75%以上、60歳代全体90%以上(令和14年度) 目標:睡眠時間が十分に確保できている人を増やします。 指標(直接成果): ・睡眠時間が6~9時間(60歳以上については、6~8時間)の人の割合 直近値:20~59歳男性、20~59歳女性、60歳代全体今後把握 目標値:20~59歳男性60%以上、20~59歳女性60%以上、60歳代全体60%以上 (令和14年度) 目標:ストレスに気付き、適切な対処ができる人を増やします。 指標(直接成果): ・悩みやストレスがあるが相談できないでいる人の割合 直近値:15~64歳6.5%(令和4年) 目標値:15~64歳4.5%以下(令和13年) 目標:メンタルヘルスに取り組む事業所数を増やします。 指標(直接成果): ・横浜健康経営認証事業所のうちメンタルヘルスに取り組んでいる事業所の割合 直近値:今後把握 目標値:今後検討 取組を推進する10の視点の中で特に取り入れるもの ①将来を見据えた健康づくり ⑦デジタル技術の有効活用 ⑧平時からの健康づくり ⑨産学官連携・共創 ⑩前計画からの継続課題 行政の取組 働き・子育て世代への取組内容: ○ストレスチェックなどを通し、ストレスに気付き、早期に周囲に相談することの重要性を啓発します。 ○休養(睡眠・積極的休養)のタイミングや、ストレス対処方法を周知します。 働き・子育て/稔りの世代への取組内容: ○子育て中の悩みやストレスを含めたメンタルヘルスや、生活習慣病と睡眠不足との関連を啓発します。 ○質のよい睡眠を得るための工夫や睡眠に悪影響を与える習慣を周知します。 関係機関・団体の取組 働き・子育て/稔りの世代への取組内容: ○職場の産業保健活動やメンタルヘルス対策が適切に実施されるよう、周知・指導します。 ○労働者50人未満の事業者及び労働者を対象とした産業保健活動の支援、メンタルヘルス対策の普及促進事業を行います。 ○中小企業における働き方改革の取組の支援に加え、建設業、陸上貨物運送事業、道路貨物運送事業を中心に、働き方改革の取組を支援します。 ○長時間労働の抑制及び過重労働による健康障害を防止するため、監督指導を引き続き実施します。 ○長時間労働等のテーマを検討し、産業医向けの研修会の企画を行います。 ○報道や各種番組を通じて、健康(休養・こころ)に対する市民の関心を高め、必要な情報を拡散します。 市民の行動目標:③つながりを大切にする 現状・課題: ○趣味活動や地域活動に参加している人が少ない状況があります。 ○高齢単独世帯が増えています。 ○コロナ禍など、予期せぬ危機的事態の際には、趣味や地域活動に参加したくてもできない状況がありました。 ○地域の人々と関わりを持とうと思う者の割合は平成25年度(2013年度)の63.4%に比べ令和2年度(2020年度)は49.1%で減少しています。 ○地域に根ざした信頼や社会規範、ネットワークといった社会関係資本(ソーシャルキャピタル)を醸成することは、健康の維持につながります。 ○地域の人々とのつながりや様々な社会参加を促すことに加え、日常生活の中で楽しみや心のよりどころを見つける大切さを伝える必要があります。 目指す姿:人と人とのつながりや自身の役割を大切にし、楽しみながら健康づくりに取り組んでいます。 目標:人と人とのつながりをもつ人を増やします。 指標(直接成果): ・周囲の人々は困った時に助けてくれると思う人の割合 直近値:今後把握 目標値:今後検討 目標:家庭や職場、学校以外の場にも役割や居場所をもつ人を増やします。 指標(直接成果): ・地域の人々と関わりを持とうと思う人の割合 直近値:49.1%(令和2年度) 目標値:55.5%以上(令和14年度) ・地域の人々とのつながりが強いと思う人の割合 直近値:今後把握 目標値:45%以上(令和14年度) 取組を推進する10の視点の中で特に取り入れるもの: ③ナッジやインセンティブの活用 ④環境の創出と利活用 ⑤つながりで進める健康づくり ⑦デジタル技術の有効活用 ⑧平時からの健康づくり ⑨産学官連携・共創 行政の取組 働き・子育て/稔りの世代への取組内容: ○ライフステージやニーズに応じた健康に関する情報をより多くの人に届けられるよう、産学官連携等あらゆる手段で提供します。 ○健康づくりに関わる機関・団体・グループの活動内容を周知し、活動継続を支援します。 ○つながりを大切にすることや、日常生活の中で楽しみや心のよりどころを見つけることが、健康の維持につながることを啓発します。 関係機関・団体の取組 働き・子育て世代への取組内容: ○働く人への治療と仕事の両立支援対策の推進を図ります。 働き・子育て/稔りの世代への取組内容: ○イベント等を通じ、認知症について理解と予防に努めます。 ○報道や各種番組を通じて、健康(休養・こころ)に対する市民の関心を高め、必要な情報を拡散します。 ○フレイル・オーラルフレイル予防などの啓発に、自主活動グループの場を利用します。 ○食を通じた地域への支援につながるよう、栄養・食生活支援を行う人材の養成や拠点の設置を進めます。 ○地域住民で構成する団体として、イベント等での啓発を通じ、認知症について理解と予防に努めます。 稔りの世代への取組内容: ○高齢者のコミュニティーの場づくりとしてサロンを開催します。 ○関連団体として地域ケア会議、通いの場に関わります。