(3)喫煙 喫煙は、がん、循環器疾患、糖尿病、COPD(慢性閉塞性肺疾患)等の様々な病気のリスクを高めます。子どもの頃からタバコ(紙巻き・加熱式)の害について学び、20歳以上になっても喫煙しないことが重要です。また、タバコを吸う人が禁煙にチャレンジすることは、周囲の人の受動喫煙を減らすことにもつながり、吸う人のみではなく、その周囲の人々も含めた健康の維持・増進においても大切です。 市民の行動目標:①タバコの害を学ぶ・吸い始めない 現状・課題: ○20歳未満の者と同居する人の喫煙率は平成25年度(2013年度)の男性29.9%、女性10.5%に比べ令和2年度(2020年度)は減少していますが、そのうち女性の喫煙率だけを見るとほとんど変化がありません。 ○20歳未満の者は特に受動喫煙による影響が大きいため、子どもと同居する人に対する禁煙支援を促進することが重要です。しかし、20歳未満の者と同居する喫煙者の年代は働き・子育て世代が中心であるため、区役所による地域住民への取組は届きにくく、関係機関・団体と協力した事業の実施が必要です。 ○20歳未満で喫煙を開始すると、20歳以上で喫煙を開始した場合と比べて、がんや虚血性心疾患などのリスクが高くなります。 ○タバコを吸い始める年齢が若いほどニコチンへの依存度が高くなります。 ○関係機関・団体と連携して子どもがタバコを吸わないことを選べるような啓発が必要です。子どもが将来喫煙者にならないために、保護者への禁煙支援も重要です。 目指す姿:子どもがタバコの煙にさらされていません。子どもがタバコの害を理解し、20歳以上になってもタバコを吸わないと考えています。 目標:子どもの身近にいる人の喫煙を減らします。 指標(直接成果): ・20歳未満と同居する者の喫煙率 直近値:全体18.6%、男性25.9%、女性10.1%(令和2年度) 目標値:全体14%以下、男性19%以下、女性9%以下(令和14年度) 目標:タバコを吸い始める人を減らします。 指標(直接成果): ・20歳代の喫煙率 直近値:全体12.7%、男性20.0%、女性6.3%(令和4年) 目標値:全体8%以下、男性14%以下、女性2%以下(令和13年) 取組を推進する10の視点の中で特に取り入れるもの: ①将来を見据えた健康づくり ②性差を踏まえたヘルスリテラシー支援 ③ナッジやインセンティブの活用 ⑤つながりで進める健康づくり ⑩前計画からの継続課題 行政の取組 育ち・学びの世代への取組内容: ○子どもの保護者等、20歳未満と同居する人への禁煙支援を行います。 ○子どもや保護者の目に触れやすい場で、受動喫煙による健康被害の啓発を行います。 ○関係団体と連携して20歳未満への喫煙防止教育(場面により飲酒防止教育も加える)を実施します。 関係機関・団体の取組 育ち・学びの世代への取組内容: ○20歳未満の者、教育関係者への喫煙防止教育を推進します。 ○禁煙支援薬局事業の継続等を通し、禁煙・受動喫煙防止対策の推進を支援します。 ○タバコの害に関する普及啓発を行います。 ○飲食店の喫煙ルールの周知など、法に基づく受動喫煙防止対策を推進します。 ○世界禁煙デーなどの機会に呼応した講演会やセミナー、イベントの開催又は開催支援を行います。 ○禁煙・受動喫煙防止講演会へ講師派遣を行います。 市民の行動目標:②禁煙にチャレンジ 現状・課題: ○20歳以上の喫煙率は、平成22年(2010年)の20.0%から令和4年(2022年)の13.1%へと減少しています。しかし、年代や性別により、喫煙率に差があることもわかっています。令和元年(2019年)から令和4年(2022年)の直近の動向を見ると、30歳代の喫煙率は、男性では29.0%から29.5%へ、女性では9.6%から11.8%へとそれぞれ増加しています。 ○喫煙者のうち、タバコを今すぐやめたい人の割合は11.3%となっています。 ○受動喫煙を防止する環境整備が進み、全体的な喫煙率も低下していますが、喫煙しづらい環境でもなお、喫煙を継続している層への重点的な取組が必要です。 ○禁煙には、生活に変化のあるライフイベントを捉えた啓発や支援が必要です。 ○働き世代の喫煙者に直接アプローチをする機会は少ないため、職場の力を活用していくことも重要です。 目指す姿:より多くの喫煙者が禁煙にチャレンジしています。 目標:禁煙にチャレンジする人を増やします。 指標(直接成果): ・喫煙者のうちタバコを今すぐやめたい人の割合 直近値:11.3% (令和2年度) 目標値:11.3%以上 (令和14年度) 目標:喫煙率を下げます。 指標(直接成果): ・20歳以上の喫煙率 直近値:全体13.1% 男性19.7%、女性6.6%(令和4年)     目標値:全体12%以下、男性18.5%以下、女性 5.5%以下 (令和13年) 取組を推進する10の視点の中で特に取り入れるもの: ②性差を踏まえたヘルスリテラシー支援 ④環境の創出と利活用 ⑤つながりで進める健康づくり ⑥誰も取り残さない健康支援 ⑦デジタル技術の有効活用 行政の取組 働き・子育て世代への取組内容: ○職場の力を活用した禁煙チャレンジへの支援を行います。 ○禁煙を支援する人への情報提供等を通じ、職場や家庭において禁煙にチャレンジしやすい風土づくりを行います。 働き・子育て/稔りの世代への取組内容: ○一人暮らし開始・就職・妊娠・子育て・定年退職など、生活に変化のある機会を捉えた喫煙による健康被害の周知と、自分に合う禁煙方法を選択して実行するための情報提供を行います。 関係機関・団体の取組 働き・子育て/稔りの世代への取組内容: ○禁煙支援薬局事業の継続等を通し、禁煙・受動喫煙防止対策の推進を支援します。 ○世界禁煙デーなどの機会に呼応した講演会やセミナー、イベントを開催または開催を支援します。 ○禁煙・受動喫煙防止講演会へ講師派遣を行います。 ○特定保健指導の対象者へ事業所や健診機関を通じて禁煙に関する保健指導が受けられるよう利用案内を実施します。